TOP > main > かじかむ手の中のぬくもり > 01
「息、白いですねえ」
「そりゃあ、冬だし。この寒さですから」
セイはぶるっと震えると、かじかんだ両手に息を吹きかけた。
「神谷さん、ちょっと手を貸してください」
そう言って総司はセイの両手をとって、ぎゅっと包み込んだ。
自分とはうってかわった温かい手にセイは驚いた。
「こんな手をして……。刀を取り落としたら、どうするつもりですか?」
厳しさの混じる声音でそう言われ、セイははっとした。
「も、申し訳ありません……!」
想う人に手を握られて、一瞬でも嬉しさに浮かれた自分を恥じ入った。
「……子供の体温が高いっていうのは、嘘なんですかね?」
「……それは私が子供だと言いたいんですか?」
むっとして、セイは口をとがらせながらそう言った。
「そういうところが」
ははっと総司は明るく笑った。
「ああ、でも……」
ふいにセイの視界が陰る。
気づいたら、総司の腕の中に閉じこめられていた。
「せ、先生……?!」
「ふふっ、やっぱりあったかいですね、神谷さんは」
慌てるセイをよそに、総司はのんびりとした口調で言った。
柔らかな温もりに包まれながら、セイは小さく呟く。
「……子供ですから」
こんな風に抱きしめてもらえるなら、子供扱いでも構わない。
そう思ったセイだった。

―終―
